労務税務定期便 No.31 2019年12月15日号

御社の債権が回収できるようになるかもしれません(民事執行法の改正)

 令和元年5月17日、改正民事執行法が公布されました。そして、その1年以内に施行される予定です。

 これまでの民事執行法の問題点は、債権者が、裁判を経て、勝訴判決を勝ち取ったとしても、債務者が任意に、その支払をしない場合には、債権者が執行手続を申し立てなければならず、しかも、その際、執行の対象となる財産を、債権者側で特定しなければならないことが、債権者にとって、極めて過重であった点です。

 そこで、平成15年には、債権者からの申立てによって、債務者を裁判所に呼び出し、その財産を開示させるという、財産開示手続が創設されたのですが、債務者が、呼出を無視して裁判所に出頭しなくとも、過料30万円以下の制裁しか科されないこともあり、あまり効果が発揮されず、利用実績も低調な件数にとどまっていました。

 このような現状を踏まえ、債権回収の実効性を図るため、今回の改正では、大きくは、以下の2点について、改正されました。

1 財産開示手続の充実化

 従前の財産開示手続が以下のように充実化されました。

(1)申立権者の拡大

 従前は、仮執行宣言付き判決を得た債権者、執行力を持つ公正証書を有する債権者、支払督促での判決を得た債権者は、申立権者から除外されていましたが、これらの債権者も、申立てが可能となりました。

(2)制裁の強化

 債務者が正当な理由なく裁判所に出頭しなかったり、出頭しても、開示を拒否したり、虚偽の陳述をした場合の制裁が、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に厳罰化されました。

2 第三者照会制度

 これまでは、照会の対象は債務者に限定されていたところ、今回の改正で特定の第三者からも情報を取得できる制度が導入されました。

 具体的には、裁判所への申立てを介して、以下の機関からの情報を得ることが可能となりました。

  1. 銀行、信用金庫、証券会社等の金融機関から預貯金債権、上場株式、国債等に関する情報
  2. 登記所から不動産に関する情報
  3. 市町村や日本年金機構等から給与債権 (勤務先)に関する情報(ただし、この情報の照会に関しては、申立権者が養育費や生命・身体の侵害による損害賠償請求を有する債権者に限定されます。)

 情報の提供を命じられた上記の各機関は、裁判所に対し、書面での情報提供を義務付けられており、照会を申し立てた債権者は、その書面によって、債務者が保有する財産を知り得ることができます。

 強制執行手続を経ることは、時効の中断(改正民法では、時効の完成猶予)の効果もある点でも、積極的に情報取得の制度を利用し、こまめに執行手続をとっておきたいものです。

執筆担当 弁護士 山田直子

「労務税務定期便」No.31送付のごあいさつ

 お目通しいただきありがとうございます。私どもは、使用者側の法律事務所として、登美ヶ丘(学園前)を拠点に、数十社の企業様、医院様、自治体様の顧問弁護士を担当しております。このたび、私どもの経験、ノウハウなどをお伝えする「労務税務定期便」を発行いたしました。
先生方におかれまして、ご笑納いただければ幸甚です。

代表弁護士 奥岡眞人
大阪弁護士会所属
代表弁護士 奥岡 眞人

所属弁護士(奈良弁護士会所属)

■ コラム ■

アジアの十二支 ~猫がある国も~

 年の瀬も迫り、街中には、来年の干支である「子(ネズミ)」をモデルにしたイラストやキャラクターを見かけるようになりました。今年のイノシシが12番目で、来年から十二支が新しく回り始めます。

 さて、この十二支は、12種類の動物がいるという点は、アジアの諸地域で共通なのですが、登場する動物には、少し違いがあります。例えば、「猫(ネコ)」です。実は、ベトナム、チベット、タイでは、「猫(ネコ)」が入っています。その代わり、「卯(ウサギ)」が外れています。世界的ブランド「ハローキティ」発祥の地の日本で、なんと「猫(ネコ)」が外されていた、というのは、驚きの事実といえるかもしれません。

 他の違いとしては、ベトナムでは、「丑(ウシ)」の代わりに「水牛」が、「未(ヒツジ)」の代わり「山羊(ヤギ)」が入っています。アラブでは、「龍(たつ)」の代わりに、「鰐(ワニ)」が入っています。

 この十二支の起源には諸説あり、古代中国の陰陽五行よりもさらに古いとも考えられています。日本と同様に、東アジアの諸地域で、民間にも根付いて相当古くから利用されてきたようです。

 奈良に多く訪れているアジアからの観光客の方々と、もし話す機会があれば、「干支は何ですか」と聞いてみると面白いかもしれません。「猫です」という答えが返ってくれば、「実は、日本の干支には、猫はいないのですよ!」と言って盛り上がるかもしれません。

 今年は、5月に改元があったことで、1年12か月がとても短く感じられた方も多いのではないでしょうか。来年の皆様のネズミ年が、幸多い年でありますことをお祈りいたします。

~お知らせ~
地元の企業様向けセミナーを開催いたします。ご興味がありましたら、ぜひ、お越しください!

【テーマ】パワハラ対策~パワハラの実態とパワハラ防止措置義務法制化に伴う対応策~
日 時:2020年1月15日(水)午後3時~5時
場 所:奈良商工会議所 302会議室
費 用:参加費2000円(顧問先様は無料)
執筆担当 弁護士小川哲史

相談予約受付中 0742-81-8361相談予約受付中 0742-81-8361
メールによるお問い合わせは24時間受付
メールによるお問い合わせ
労務税務定期便バックナンバー 労務税務定期便申込みはこちら
使用者側の労働問題を弁護士が解説!

生駒事務所(奈良・登美ヶ丘)

住所

〒631-0003 奈良市中登美ヶ丘6-3-3 
リコラス登美ヶ丘A棟202号
TEL 0742-81-8361 
FAX 0742-81-8362

電車

近鉄けいはんな線「学研奈良登美ヶ丘駅」南出口を出ると、目の前にrecolax(リコラス登美ヶ丘)があります。その2階(コンビニエンスストアの真上)に生駒事務所があります。

自動車

  1. 精華町、木津川市、京田辺市、交野市、四條畷市からは、国道163号線を使用し、「鹿畑町」交差点を南へ曲がって直ぐです。学研奈良登美ヶ丘駅の手前のガソリンスタンドを超えたところを左折し、同駅北口やリコラスの手前の細い道を南に進むと、右手にリコラスの時間貸駐車場があります(90分無料となりますので駐車券を当事務所にご持参下さい。)
  2. 第二阪奈道路を使用した場合は、「中町インター」を下りて北へ向かい、近鉄学園前駅の横を通って更に北へ向かって下さい。学研奈良登美ヶ丘駅の手前で側道に入り、同駅南口の正面を通り、道なりに右へ曲がったところにリコラスの時間貸駐車場があります(90分無料となりますので駐車券を当事務所にご持参下さい。)。

松柏法律事務所(大阪・北浜)

住所

〒530-0047 大阪市北区西天満1-7-20
JIN・ORIXビル 802号
TEL 06-6360-6500 
FAX 06-6360-6540

電車

京阪本線もしくは地下鉄堺筋線「北浜駅」を下車し、(京阪)26番出口から地上へ出て下さい。または、京阪中之島線「なにわ橋駅」を下車し、3番出口から地上へ出て下さい。

難波橋(通称ライオン橋)を北側にわたりきったところにある交差点(難波橋北詰)の北西角(わたりきって左側)にあるビルです。

自動車

阪神高速環状線の「北浜出口」から一般道に下りたところにある交差点(難波橋北詰)の北西角(わたりきって左側)にあるビルです。来客用の駐車場がありませんので、お近くのコインパーキングか弁護士会の地下(有料)に駐車した上でお越し下さい。


Copyright(c) SHOHAKU legal profession corporation. All Rights Reserved.